けんちゃんへのエール

 朝、ぴろぴろーとメールがきた。誰かと思ったらけんちゃんだった。

けんちゃんは私の生徒だった子で、他の先生からは勉強のできるεεb)のび太とか言われている面白い子だった。太ってたのにプロテインを飲んでちょっとしか運動していなかったり(さらに脂肪倍増)、サッカーについて熱く語るも全く興味のない私に「聞いてるんですか?}と生意気な口をきいたり、小論指導しているときに「先生は僕の志望する社学とは分野が違うから」とか文句をたれて「文学は万能だ」とブチ切れる私とケンカをしたり、せっかく大学に入ったのに「やめたい」とか言ってきたり「彼女を作れ!」とけしかける私の口車にまんまと乗って頑張ってみたり面白い子だった。彼の面白さは私にだけ向けられていたので(個別指導だったし他の先生はびびっていて近づかなかったし、話しかけても冷たくあしらわれていたらしい)あまりにも面白いから独り占めするのは勿体無く、当時やっていたHPで「今日の健ちゃん」というコーナーを作ろうとしてお母さんに叱られたこともある。もちろんお蔵入りだ。

その彼が「ドイツに留学します」とのメールをしてきたのだ。ドイツ!彼はドイツ語堪能だったな、確か。帰国子女だったから。そっかー、ドイツかー、やりたい道が定まったのかなー?そして彼女は結局できたのかなー?と久しぶりにけんちゃんのことを思い出す。

ほっとめーるのアドレスが書かれていたからメールでもしよう。そして一年後戻ってきたらお土産をもらおう。ほしい。頼む、お土産を買って来てくれ。ドイツの土産を。ご飯おごるから。ね?頼む。