変な妄想

 もし世の中にエスパーがいたら。
それはとってもすごい事だし、反対にすごい怖い事でもある。私が常々、頭の中で繰り広げている理解不能な妄想、それを読心術なんか用いられて読みとられたら大変である。
人にはなんかしらの強迫症めいた恐怖心というものがあるのではないかと思うのだけれども、私にとってのそれは「身近な処にエスパーがいて、私の心を密かによんでいる。そして何もかもがばれている」と言う考えである。
会議中ふと思いついた上司への悪態だったり電車の中で見た中吊り広告に対する差別的な感想だったりが他人、特に本人にばれたときは職を失ったり袋叩きにあうこと間違いなしなので、いるはずもない?身近な読心術の使い手に怯える日々だ。
そんな私は大事な会議の途中で例の強迫症めいた考えから抜け出せなくなってしまい、書記と言う大事な役割を集中して遂行しなければならないのに「この中にエスパーがいる!」と仮定して大胆かつ史上最強にばからしいある実験を試みた。
続く